■道東地方の道路事情等 |
■スピードは控えめに安全運転で・・・ |
一度でも北海道・道東地方で車を運転したことのある方はご存知かもしれませんが、こちら道東管内の道路事情は非常に恵まれています。
延々と続く広い直線道路、少ない交通量、見通しの良い開放的なロケーション…。
郊外ではほとんどの車が制限速度+αの高速で巡航していることが多く、それなりのスピードで走っていたとしても、一般の乗用車はもとよりトラックや観光バスにさえ抜かれてしまうこともしばしばあります。
ついつい調子に乗ってアクセルを余分に踏み込みがちになってしまいますが、スピードの出し過ぎにはくれぐれも注意して下さい。非常に見通しの良い交差点なのに、何故か車どうしが出会い頭に衝突するという「十勝型事故」と呼ばれるこの地方独特の事故が多発しています。
これは、お互いに他車の接近に気付くのが遅れたり、自分の方が先に交差点をクリアーできるものと思いこんでしまい、結果的には不幸な事故となってしまうケースですが、その原因はスピードの出し過ぎによる視野の狭窄と距離感覚・判断能力の鈍化が大きく影響していると言われています。
また、爽快で開放的なロケーションに誘われ、不用心に高速で巡航していると思わぬところで速度取り締まりのレーダーに引っかかったり、覆面パトカーに追尾・検挙され、手痛い出費を被ることもあります。
特に市街地周辺の40〜50kmの速度制限区間はもちろん、市街地を少しはずれた郊外の直線区間等でも、警察の取り締まりが季節や時間帯にかかわらず頻繁に行われています。
交通事故の防止はもちろんですが、道外からの往復航空運賃にも相当するような思わぬ 出費を防ぐためにも、スピードは控えめに安全運転を心がけ、楽しい旅行に汚点を残すことのないよう、車での移動には十分にご注意下さい。 |
■農作業車両と駐車場所等に注意! |
道東地方は畑作や酪農を中心とした農業が盛んで、幹線道路の他にも非常に立派な農道が広域的に整備されています。
国道や道道(「県道」に相当する道路のことを北海道では「道道」といいます)に比べ一般車両の交通量も格段に少なく、各幹線道路を結ぶ近道となっていることも多いことから裏道として利用する機会もあると思いますが、あくまでも農業の振興を目的とした道路です。
畑や牧草地の中を通っていて直線区間も多く、見通しも良いため快適なドライブが出来ると思いますが、トラクター等の農作業車両や農作物等を満載したトラックが常に通行しています。
特にトラクターの場合には時速30km程度の低速で走行しており、先行車両に接近するまでの時間の感覚が一般の自動車の場合と比べて非常に違いがあります。
地元のドライバーでも、かなり遠くに見えていてもアッという間に接近してしまい、あわててブレーキを踏む!ということもあり、追突事故も多く発生しています。
実際にトラクターと一緒に同じ道路を走行する機会の少ない首都圏や大都市圏のドライバーにとっては、十分な注意が必要です。
また、釣りやカヌー、自然観察等でフィールドへ出かける際には、畑や牧草地の中に車を乗り入れたり、畑・牧草地への取り付け道路や狭い林道等、農・林作業や他の車両の通
行の邪魔になると思われる場所に駐車することは厳に慎まなければなりません。
通路でもない他人の土地に勝手に車を乗り入れたり、他の人に迷惑をかけるような駐車をすることは、運転者としての常識に欠け、その人の人格を疑われてもしかたがないような行動です。
そして、何よりも、畑や牧草地に植えてある作物に直接的な被害を与えてしまったり農作業に支障が出ることは、農家の方にとっては減収に直結する切実な問題です。
マナーや常識に乏しい一部の人達の身勝手な行動が原因で地元の人たちとトラブルとなり、フィールドへのアプローチとなる通路等が閉鎖されてしまったケースもあります、また、いくら注意しても採草地に駐車する車両が後を絶たず、とうとう牧草の一部が枯れてしまったことに腹を立た農家の人が、トラクターで駐車車両を強引に移動して隠してしまった…という話を聞いたこともあります。
河川敷のただの草原と思っていても、実際には農家の方が河川管理者に借料を支払い経費と労力をかけて整地、牧草の種を蒔いて採草地として管理していることもあります。近くに農作業等をしている人を見かけたら、一言挨拶し断ってから通
行・駐車するよう心掛けましょう。 |
■エゾシカの飛び出しに注意!!「シカは急に止まれない!」 |
道路の周辺でエゾシカを見つけて、「珍しい…」とか「かわいい…」といっても、運転者にしてみればエゾシカはとっても危険な<動く障害物>です。弟子屈警察署によると、弟子屈町・標茶町のエリアにおいては、届け出があっただけでも毎年80〜90件の車とエゾシカとの事故が報告されさてます。
これは、主に車両保険等の関係から警察に届け出があっただけの件数で、実際にはこの数倍の事故が発生しているものと思われます。
シカと軽く接触し車がほんの少し損傷した程度ならまだ良いのですが、当たり所やその時のスピードによっては車が大破、廃車状態となってしまうことも決して珍しいことではなく、笑い話では済まされません。
また、シカとの衝突を避けて路外に転落したり、衝突時のショックで運転者や同乗者が負傷、さらには、衝突したシカが車内に飛び込み死亡事故となったケースもあります。
シカは主に夜行性で群をつくって行動します。このため、夕暮れ頃の時間帯になると水や食料を求めて活発に移動を開始し道路を頻繁に横断します。警察の統計資料でも事故のうちの約6割程度が16時〜20時の時間帯、特に薄暮時に集中して発生しています。
シカが道路を横断する際には、最初の一匹が渡るまでは非常に用心深く慎重な行動をとるのですが、一匹が渡り始めると他の個体は周囲を一切気にせずに次々に続いて道路を横断するという傾向があります。ある程度の距離をおいてシカが道路を横断したのを発見したとしても、安心してそのまま漫然と運転を続けてはいけません。まだ渡りきっていない後続組のシカ達が、左右の確認もせず?いきなり次々と飛び出してくる可能性もあります。
何時エゾシカが飛び出してきても対応出来るように、特に夕暮れ時や夜間には十分な注意と慎重な運転が必要です。 |